落日燃ゆ [読書記]
久々に、最近読んだ本。
先週の杭州出張で読み終えました。
東京裁判にて文官で唯一死刑宣告を受けた
広田弘毅。外相、そして首相をつとめた外交官
彼の「自ら計らわぬ」生き方を綴った長編小説。
不毛地帯を読み終え、ホントはもっと軽いテーマの
本を読もうかと思っていたんだけど、何気に
ストックの中から手に取ったのがこの落日燃ゆでした。
城山三郎は大学の先輩にあたり、代表作として
この作品の名前を知っていたので、いつかは読もうと
思って買ってあったもの。
前半は戦前・戦中の外務省と軍部とのそれぞれの
思惑の中で、いかにして戦争に進んでいってしまったか。
そして後半は自ら語らぬことを決めた広田を通しての、
東京裁判という政治セレモニー。
二つの祖国や不毛地帯でも読んだ世界を広田弘毅の
視点から描いていきます。
開戦にしたって、東京裁判にしたって、結果は分かっている
話ではあるのですが、ここでこの想いが成就していれば、
歴史が変わっていたんじゃないのって思いながら読むことも
しばしば。
日本史の近現代史を習った時に、2・26事件の後に
首相になった人ってことぐらいしか認識をしていませんでしたが、
日本の歴史の中で、広田弘毅という男の存在した意義を
深くかみ締めながら読みました。
なんと、日本ではちょうど昨日ドラマ化されたらしいですね。
テレ朝の記念番組かなんかの一環で。
ドラマでこの作品のことを知った方も、ぜひ本も
読んでもらいたい一作です。
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