ジャングルに覆われた寺院 【タ･プローム 2009/1/29】

またまた間が空いてしまいました。
久々にアンコールワット旅行記の続きです。

ホテルで少し休んでから午後の観光再開。
それでも暑かったですけどね。
午後の目的地はタ･プローム。
アンコール遺跡の中で、一番好きな場所はと聞かれたら
ここだと答えるその場所です。

アンコール遺跡群東部の寺院で、もともとは、1186年に
ジャヤヴァルマン7世によって創建された仏教寺院。
後にヒンドゥー教に改修されている。

ここで見るべきものは建物そのものよりも、それを
凌駕する自然の力。長い歴史の中で、建物を
飲み込もうとしているスポアン（榕樹）の姿に感動を覚える。

他の遺跡同様に修復工事も始まっていますが、
このかたちをどう残すかが課題でしょうね。

タ･プローム

再びチャーターした車でタ・プロームへ。
車を降りると、遺跡の前で子供たちが遊んでいました。
この子達にとったら、世界遺産なんて関係ないんですね。

東塔門から境内に入ります。

参道を進んでいくと、音楽が聞こえてきます。
地雷の犠牲となり身体に障害を抱えることになった
少年たちのバンドです。

確かに、実態は物乞いなのかもしれませんが、
音楽という身に着けた芸術を披露して、その対価として、
お金をもらう。
上海の地下鉄で何もせずコップを持って回っている
物乞いに見慣れている身としては、心が洗われるような
思いもしてきます。
１０数年前まで内戦により荒廃した国だったということを
改めて思い出されます。

テラスを進みますが、そこにも大きな木がしっかりと
伸びています。

そしてたどり着いたのが、東門。

正面の入り口は現在修復中で通行禁止。

窓にも木枠が組まれて倒壊を防いでいます。

崩れた石材を横目に中に入っていきます。

するとそこに待っていたのは回廊を踏み潰さんとしている
巨大なスポアン。

回廊が主なのか、この巨木な主なのか。

もちろん、回廊にも多くのデバターが描かれ、それはそれで、
十分見るべき価値のあるものです。

壁面を押さえつける腕のような木々。

第一回廊の内側には大蛇のようにうねる巨木がそびえています。
これで樹齢３００年～４００年。

第二回廊の内側にあるのが冒頭にも写真を載せた
この血管のようにからまる木。

これは映画「トゥーム・レイダー」でアンジェリーナ・ジョリーが
遺跡の中に入っていったところとしても知られています。

他にも「トゥー・ブラザーズ」のロケ現場になっていたり、
「天空の城ラピュタ」もここをモチーフにしていると
言われていたりもします。

でも、俺としては遺跡巡りをしていると、まるでドラクエの
ダンジョンにでも入っているような気分になってきます。
お宝探しをしたりして。
でも、石ころすら持って帰っちゃいけないんですけどね。

美しいデバターも気になるのですが、彫刻の中には
こんなかわいい彫刻もありました。

まるでミシュランのキャラクターのような顔をしています。

中央祠堂西側の回廊もこんな大きなスポアンが。

ガイドブックには「最も有名な巨大木」とも書かれていて、
そこにもともとあったのが回廊なのか、巨木があって、
その下に回廊が滑り込んだのか、何がなんだか
よく分からなくなって来るくらいです。

西門側はスポアンにつぶされずに、緑の苔に
覆われた美しいデバターを残しています。

でも、よく見ると、仏教色の強い彫刻は削り取られているような
場所も何箇所か目につきます。
これは、途中でヒンドゥー教の寺院に改宗されたからで、
場所によってはあとから別の彫刻が彫られていたりもします。

西門もただいま改修中。

自然の樹木によって押しつぶされつつある神秘的な
雰囲気が魅力的なこのタ･プローム。
改修するにしても、どこまで綺麗にするかが問題だね。
石材と樹木が絶妙なバランスで合わさりあっているだけに、
どちらかを除去すれば必要以上に崩れてしまうだろうし。

世界遺産として、多くの人たちが見れるように整備も
しないといけないんだろうけど、このままの姿で
残しておいて欲しいなと願うのはわがままなんだろうか。

 

このあとは、もう少し遺跡巡りを続けます。 

旅行全体のまとめ記事はこちら↓。
・2009春節　アンコールワット3泊5日の旅

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