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ノモンハン戦争 モンゴルと満洲国 [読書記]

ここら辺で最近読んだ本のことを挟みます。
年末の出張で読んだ本です。

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

  • 作者: 田中 克彦
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 新書

歴史の授業では「ノモンハン事件」として教わる
1939年の日本・満洲国軍とソ連・モンゴル軍の戦闘。
好戦派の関東軍参謀辻政信が暴走して起こした位にしか
理解されていなかったこの戦いの背後には何があったのか。
あまり知られていない「モンゴル」というくにの成り立ちに
ついても描く。

「大地の子」や「不毛地帯」あたりから、興味を持っている
満洲。去年の8月には長春にも行ったし。
そんなタイミングで去年帰国した時に平積みになっていたの
買った一冊。書評とかでも目にしていたし。

最近は朝青龍とか白鵬といったモンゴル人力士のおかげで
多少は身近になってきたモンゴルという国。
俺がモンゴルを始めて認識したのは「キン肉マン」のなかの
モンゴルマン。でも、辮髪のラーメンマンがマスクを被って
モンゴルマンになるっていう設定が、今思うと恥ずべき
設定だよね。でも、かつてはモンゴルなんて中国の奥地の
一部分くらいにしか思われていなかったっていう証拠だよな。

ソ連(ロシア)のシベリアの大地から中国の内蒙古に
広がる「モンゴル」の地に住む「モンゴル」諸民族。
遊牧民族ゆえに固定の土地を持つ農耕民族とは
くにの概念も異なる。
結局はソ連(ロシア)と中国の間の緩衝地帯として
生まれたモンゴル人民共和国。
その国がいかに独立を保ち続けてきたか。
清朝時代までは同じ境遇であったチベットやウイグルが
中国に取り込まれてしまったことを思うと、
当時の指導者のしたたかさに頭が下がる。
もちろん、多くの犠牲を強いてのことではあるけれど。

日本が満洲国を作ったのが諸悪の根源だと
言ってしまえば元も子もないのですが、
当時の地政学の中で、モンゴルがモンゴルとして
いかに生き抜いてきたか。
その過程を知ることができる。そんな一冊です。

それでも、今なお、民族自決の原則に反した生活を
強いられている人々がこの大陸にいるということは
心苦しいことですね。



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