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かつて新京と呼ばれた街 長春 [旅行記(中国編)]

今朝、今日8月8日は名古屋の日だって書きました。
しかし、歴史を紐解いてみると、それだけではありません。

1945年8月8日深夜、ソ連が日ソ中立条約の破棄と
宣戦布告を日本に通告し、そして、8月9日未明には
ソ連軍が日本軍への攻撃を開始。
その後の満洲での惨状、更にはシベリア抑留、
残留日本人孤児なんてことをあえてここで詳しく
語る必要もないでしょう。

山崎豊子の「不毛地帯」と「大地の子」を読んで、
満洲の地を訪れたいなと思い始め、実際いつ行けるかを
考えた結果、今日明日の土日で行こうということにしたんですが、
ちょうど意味のある日に当たっていたということです。

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ということで、旅の目的地は吉林省長春。
満洲国時代には、新京と呼ばれ、首都とされた街です。

 

長春龍嘉国際空港

長春の空港についても、なぜだか上海万博の
マスコット、海宝のお出迎え。
海宝を横目に、バスに乗って市内に向かいます。

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高速の横に広がるのは広大な大地と
どこまでも続くとうもろこし畑。
なんだか北海道に似た景色だなと思っても
いましたが、そこに共通する開拓という歴史にも
思いを馳せながら、車窓を眺めていました。

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バスは市内中心部、人民広場で下車。

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そこからまず回りをぐるっと見渡してみます。

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満洲国電信電話会社(左)、満州国中央銀行(右)
なんかが、現在の組織に引き継がれながら、
まだそのままの姿を残しています。

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隣りにある旧首都警察庁にカメラを向けたら、
しっかり怒られました。今も公安ですからね。ここ。
何を言っているか分からないふりして、とぼけて
この場を去りました。

人民広場

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ホテルのある西安大街に入ると、あるビルに
書かれている文字が気になりました。
テナントである通信会社が移転して空きビルに
なっているところだったんですが、土台のところに
日本式に「定礎」の文字が。
そしてその横に昭和と康徳の文字。
康徳って、満州国の元号なんですね。
それででしょうけど、昭和と康徳のところが
少し削り取られちゃっています。

吉隆坡大酒店

ホテルにチェックインして荷物を軽くしてから街歩き継続。
今日は人民広場と駅の間を散策してみることにします。

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再びホテルから出て、道を歩き始めた俺を
あるものが追い抜きます。
それはなんと馬車。
そう言えば旅順でも見かけたっけ。
長春も人口は700万人以上いて大都会のはずなんだけど、
中国は奥が深いよな。

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泊まるホテルからちょっと北に進んだところにある、
松苑賓館。この松林に覆われた敷地の中に建物が
あるのだけれども、ここは元の関東軍指令官邸。

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そして、その道のならびに、赤い塀の向こうに
場違いな天守閣っぽい建物が見えてくる。
まるでどこかの県庁か何かと思うけれども、
それがかつての関東軍司令部の建物。
今は中国共産党吉林省委員会となっている。

地球の歩き方にも書かれているけれど、
ここも1枚写真を撮ろうと、道の反対側から
カメラを構えただけで、衛兵から怒られました。

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64年前のまさしく今頃、ここは混乱の極みだったん
だろうなという思いを馳せてみたり。

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ちなみに、衛兵に怒られたのは正面からのみ。
人民大街側から撮る分には誰も見張っていないし、
撮りたい放題でした。

中国共産党吉林省委員会(旧関東軍司令部)

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ここから人民大街を北へ、長春駅方面に歩きます。
この人民大街は「解放」直後はスターリン大街と
呼ばれていたところ。
「大地の子」で主人公陸一心の父、徳志が
残留孤児探しの件で公安に呼び出されて、
ここを往復したくだりを思い出したりしてました。

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駅前にある郵便局ももちろん満州国時代から。

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そして、人民大街はつきあたり、長春駅に到着です。

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長春駅は予想以上に立派な建物。
「大地の子」で陸一心と徳志親子がであった場所が
長春駅なんですが、当時とは面影がわかってしまって
いるんでしょうね。

長春駅

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駅前にある春誼賓館が昔の新京ヤマトホテル。
最初はここに泊まろうかとも思ったんですが、
中途半端に改装されているって話だったので、
やめました。

春誼賓館

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戻りは長江路歩行路を通って、少し横道に
それてみます。
ここ長江路歩行路は青空商店街。
服とか雑貨の店が並びます。
わざわざ長春に来てまで買う必要ないやって
感じですが、まさしくニセモノ市場って感じです。

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その商店街を抜けたところにあるちょっとした広場。
なんだか既視感を感じました。
もしかすると、関口知宏がここで食べたんじゃないでしょうか。
予習をしてこなかったんですが、帰ったら
復習したいと思います。

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駅の南東エリアにも旧満州時代の日本遺構があると
ガイドブックにも書かれているので、そこらへんも
ぶらぶらと。

旧横浜正金銀行にはこれから修復しますと柵がして
ありました。その隣りの建物も時間が止まったかのように
おんぼろのまま残っていたのにも昭和を感じました。

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東三条街→上海路→北京大街と巡りました。

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最近再開発された街ばかりをみているので、
昔ながらの街並みをみて、少しほっとしたような
気持ちもしてきました。

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北京大街を歩いていると、ずっと聞こえてくる
虫の鳴き声。なんだろうなと思ったら、
こおろぎ売りのおじさんでした。
この小さな籠にこおろぎを入れて歩いてました。

ちょうどその前では籠に入った鶏が我々を
見つめていました。

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再び人民大街に戻って勝利公園に入ってみました。
さすが週末の夕方。
たくさんの人でごった返してました。
毛沢東像の前でダンスをする集団もいれば、バトミントンを
する人たち。その間を縫うようにローラーブレードで
走り回る子供たち。

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涼しくなってくると、こうやって集まってくるんですね。

3063038

勝利公園

北側からみる旧関東軍司令部はこんな感じ。

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やっぱり、どこかの城の風景にしか思えない。
場違いですね。

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更に南に進んで、平安路から路地に入ります。
そこにあるのが旧東本願寺新京別院。
第2実験中学の構内にひっそりと残っています。
現存する純日本式建築物の代表の一つです。

旧東本願寺新京別院

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ホントだったら、旅に出たらご当地名物を食べたい
ところですが、最近胃腸の調子がよくないので、
ちょっとパス。チェーンのファーストフードで食事を
済ませました。

そして、再び人民大街に戻ってくると、街頭で
子犬がたくさん売られてました。
公園でも犬連れて散歩している人もいたし、
人気なんでしょうね。

でも、ここ吉林省は朝鮮族も多く住む土地。
あちこちで狗肉の看板を掲げる料理店を
見かけました。ちょっと複雑な気持ちになったりして。

3063042

再び、人民広場に戻り、今日の観光終了。
明日も旧満州の遺構巡り。
新民大街方面に行こうと思います。
つづきはこちら

 



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