北京オリンピック観戦紀行 瀋陽編その2 2008/08/14 [北京オリンピック]
いよいよこれが北京オリンピック紀行で最後です。
瀋陽でサッカーを観戦した翌日のお話です。
(ここからの続き)
瀋陽駅近くのホテルをチェックアウトし、荷物を預けて
観光スタート。まずは瀋陽駅に向かいます。
南満州鉄道の奉天駅として建設された瀋陽駅。
その東側には満鉄附属地だったエリアで、
中山路にはまだまだその面影が残っています。
駅前の医薬大厦はかつての中山飯店。
中山路を進むと見える、大原街郵政局は
かつての奉天郵便局です。
もう少し進むと見えるのが秋林公司。
かつての内田洋行です。
そして、中山公園のロータリーにぶつかると
遼寧賓館なんですが。
えっ?
日本料理 甲子園って。
なんてネーミング。
阪神ファンの日本人がつけたのか、中国人が
名づけたのかは分かりませんが。
ここ遼寧迎賓館はかつての奉天ヤマトホテル。
満鉄が経営していた高級ホテルチェーンの一つです。
1929年完成の原型をいまでもほぼ保っています。
今では国営企業のホテルとして営業されていて、
外国人でも泊まれるそうです。
中山公園は毛沢東の像を囲んだロータリー。
ノスタルジックな建物が銀行だとか、人民政府の建物
として使われています。
ここ中山公園でタクシーを拾い、次の目的地である
瀋陽故宮まで向かいます。
瀋陽故宮は清が出来て北京に遷都するまでの王宮。
太祖ヌルハチと太宗ホンタイジが暮らしたところです。
北京入城の入関後もここで祭典が行われたり、
皇帝の御幸もなされていた由緒正しいところ。
ユネスコの世界遺産にも登録されています。
東路、中路、西路と分かれていますが、
大清門を入り、まずは中心の中路に向かいます。
この中路のエリアはホンタイジの時代に建てられたものです。
まず、目の前に現れるのが崇政殿。
日常の政務を行った場所です。
中の玉座は北京のものと遜色ない立派なものです。
入関後も、歴代皇帝が東北地方巡幸の際は
ここで政務を行いました。
崇政殿の後ろにそびえるのが鳳凰楼。
その当時、瀋陽で一番高い建物で街中が見渡せたそうです。
宴会に用いられたり、皇后が楼上で読書に勤しんだり
した場所です。
鳳凰楼の裏が清寧宮。
いわゆる後宮で皇帝や皇后の生活の場です。
寝室や居間が往時の面影そのままに
公開されています。
北京の場合は、こういったところはガラス張りで入れなかったので、
ちょっとだけ得した気分になれますね。
ちなみに、ホンタイジは1643年にここで崩御しています。
続いて西路に向かいます。
ここは入関後、建てられたものです。
北京同様、赤壁が続きます。
赤壁の間の道で、下のほうからなにやら気配が
するなと思ったら、ちょっとクールな野良猫が
顔を出していました。
頭がちょうど通るくらいの隙間。
ニャンかようか?って睨まれましたが、
別に餌も持っていない我々。
どうしようもないよなって思って見ていたんですが。
中国人のお姉さんが穴から猫を引っこ抜き、
持っていたお菓子をあげてました。
恐るべし中国人パワー。
目つきの悪かった野良猫さんも、すっかり
喜んでました。
文溯閣は四庫全書を保管する場所。
天井では龍が睨みを利かせています。
東路に回ると、そこには小皇帝が王座に座っていました。
皇族の格好をした変装写真を撮れるらしく、
男の子がお姉ちゃんに囲まれてポーズをとってます。
東路はヌルハチの時代に建てられた建物。
その中心が大政殿(八角殿)。
皇帝が式典を行った場所です。
ホンタイジによって清国建国の式典が行われたのも
ここでした。
広場の両脇に並ぶのが十王亭。
騎馬民族だった女真族のテントの名残も感じさせます。
ここで家臣たちが政務を行いました。
北京の故宮と比べると小振りではあるものの、
明朝末期の乱世から天下を取った女真族の後金。
その勢いを感じさせられ、大清帝国の
古都としての趣きも感じられる場所。
日本の奈良とかと共通するところもあると思います。
瀋陽故宮を出たところで昼食です。
ホントは張作霖と張学良親子の邸宅跡の
張氏帥府にも行こうかと思っていたんですけど、
時間切れでした。
中国の遼寧省をはじめとした東北地方の
主食は餃子です。
というわけで、故宮からちょっとだけ歩いたところにある
餃子の名店老辺餃子館に行きました。
餃子館とは言え、他にも普通の中華料理も
出来るんですが、今日は餃子のみ。
瀋陽に工場のある、雪花SNOWビールを飲んで
餃子を待ちます。
本来、ここら辺のメインは水餃子なんですが、
服務員に聞いたお勧めを指差し注文したら、
2種類とも蒸し餃子でした。
でもまあ本場で食べた餃子です。おいしかったですね。
この老辺餃子館本店のあるあたりが中街といって、
瀋陽一の繁華街。歩行者天国になっています。
食後の腹ごなしに、少し歩いてみたんですが・・・。
どこかで見たことのあるようなロゴのついたビル発見。
別に、瀋陽に丸井が進出しているって聞かないんですけどね。
そして、俺たちの前を歩く女の子の背中に目をやると・・・、
CUCCIの文字。
うーん。おしい。
こんななんちゃってブランド品が中国には溢れていますからね。
着ている人はその違いなんて分からないだろうから、
全く悪気はないんでしょうけどね。
中街を通り抜けた所でタクシーを拾って、
ホテル経由で空港へ。
空港に着いたら、反町ジャパンを乗せたと思われる
日本行きのフライトが出た後でした。
いろんな歴史の詰まっている瀋陽の街。
初日はついていない旅でしたが、二日目の
観光はそれなりに楽しめました。
初日の流れだと、もう中国の地方都市には旅行に行かないって、
ヨメもご立腹だったんですが、とりあえずご機嫌直ってよかったです。
ご覧頂き、ありがとうございます。
よろしければポチっとしてください。
くじ頂きにお邪魔しました。
「瀋陽 」と聞くと、数年前の脱北の映像が鮮烈で
どんな街なのか全く知りませんでした。
奥様のご機嫌もなおって良かったですね(^-^*)
by さえとあすみ (2008-11-06 21:11)
>さえとあすみさん
いらっしゃいませ。
そうですね。確かに、瀋陽という街の名前を知ったのは、
脱北者が領事館に逃げ込んだっていう
ニュースだったかもしれませんね。
by Teddy (2008-11-07 09:23)