魯迅のお膝元で美麗女足：虹口

9月に入り、上海も猛暑のピークを越して、
最高気温も30度を越すか越さないか。
この週末は雨もぱらついたりで、少し肌寒くも感じるくらい。

家でごろごろしていても良かったんですが、ヨメと
一緒にお出かけしました。上海探検に。
今日向かった先は、虹口（ほんこう）エリア。
上海市内北東部にあたり、かつて「日本租界」とも
呼ばれたところ。
今では西部の虹橋に日本領事館が置かれていて、
虹橋や古北が日本人街となっていますが、戦前は
ここ虹口こそが日本人街。日本にゆかりの建物も並びます。

今日は地下鉄3号線虹口足球場駅から、東宝興路駅までを
歩きます。

虹口足球場とはすなわち、虹口サッカー場。
駅を降りて、目の前にスタジアムが待ち構えます。


もともとは、上海申花のホームスタジアムですが、しばらく
改修されており、9/10に開幕する女子ワールドカップの
メイン会場の一つとして使われます。

今日もどうやらそのイベントの練習だかリハーサルが
行われていて、覗き見している人たちの姿もちらほらと。
って、俺達もその中の一人ですが。

あっ。タイトルの美麗女足。女足で女子サッカーっていう
意味ですよ。なんだか大会キャッチフレーズに使われている
ようで、あちこちで見かけました。
決して、素足美人とかそんな意味ではないのであしからず。

このスタジアムがある一帯が魯迅公園。
かつては虹口公園と呼ばれていましたが、1988年に
この名前に改称。

池もあって緑豊かな公園。

時折、小雨がぱらぱらしましたが、週末と合ってたくさんの人出。

勝手に演奏会している人たちや、

青空カラオケに熱中する人たちも。

日本人が想像する中国の公園そのもので、
そこらじゅうでトランプ遊びに興じる人がいたり、
太極拳に熱中する人たちもたくさんいたりして。

この公園の中に魯迅記念館もあります。
そうそう。魯迅が最後に住んだ家が虹口にあり、
この公園が魯迅の散歩コースだったので、
魯迅公園に改称されたって話です。

周恩来の文字による魯迅記念館の門。
ガイドブックによると入場料8元と書いてありましたが、
実際言ってみると、「今天免費」の貼り紙が。
文字通り今日だけ無料なのか、無料開放に変わったのか
よく分かりませんが、とにかくタダで入場。

彼の生涯と作品を展示。
彼を支えた日本人、内山完造経営の内山書店が
再現されていたり。
そういえば、俺の実家の近所にも内山書店って
あったなとか思い出してみたり。

えっ？魯迅って読んだことあるのかって？
いやいや・・・。
今度日本に帰った時に本屋に行って買いますよ。
きっと。阿Ｑ正伝くらいはね。

阿Q正伝・藤野先生 (講談社文芸文庫)

• 作者: 駒田 信二, 魯迅
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 1998/05
• メディア: 文庫

公園の中に魯迅墓があったりもしますが、それは
次の機会にということで、公園を後にし、山陰路を南に。

このあたりも旧日本租界のエリア。
映画とかに出てきそうな赤レンガのアパートが
連なる一角に、魯迅故居があります。

1936年に永眠するまでの3年半を過ごした自宅。
16時まではこれまた8元で入れますが、今日は時間切れ。
次の機会にします。

山陰路が四川北路にぶつかると、少し栄えたエリアに出ます。

その四川北路を一本西に入った道が多倫路。
多倫路文化名人街として知られるところ。

立派な石造りの門が入口となっていて、石畳の道が続く。
かつての日本租界時代、ここは魯迅をはじめとする
文化人が集まる街だった。そのときの街並を再現している。

途中に文化人の銅像があったりするので、要チェック。
魯迅以外、どれが誰かよく分からなかったけど。

再現された街並とは言え、実際当時からある建物も
あったりして、いい雰囲気を出しています。
両側に、骨董品店やお土産屋もならび、豫園とか
とはまた違った感じでオールド上海を楽しめます。

俺達は老電影珈琲館で一休み。
ここもまた、レトロな雰囲気漂う洋館で、映画を見ながら
飲むコーヒーが歩き疲れた身体を癒してくれます。

道がL字に東に曲がった先にあるのが教会、鴻魂堂。

上帝愛世人がThe God loves people.ですね。
きっと。

四川北路に戻る門が見えたなと思った瞬間、
さらにその右側で俺の視界に入ってきたものは、
ぶら下げられているワニでした。

って、ここに現代美術館があるんですね。
上海多倫現代美術館。
思いっきり心奪われましたが、今日はもう遅いので、パス。
是非改めて来たいですね。人民広場の上海美術館も
行かなきゃいけないですけど。

ワニに見送られ、多倫路を後にして、四川北路へ。
ここを南に進めば東宝興路です。

今住んでいる浦東はここ5年、10年で出来た街。
それに比べてここ虹口は文化の歴史を感じることの
出来る街。何度かまた来てみたい街です。

って、今月あと3回は来ること決まってるんですけどね。
女子ワールドカップの観戦で。
ホントのきっかけは虹口スタジアムの下見だったってことは
もう、この際どうでもいい話です。